生カニの美味しい茹で方とゆで時間
カニは茹でたてが最もおいしいです。生きたままの生カニや、まだ生きている活カニが手に入ったら、自宅で茹でて食べてみたいですよね。新鮮なカニを大きな釜で茹でることで、おいしさをギュッと閉じ込めるのです。もし活カニが手に入ったら、食べる直前に茹でて美味しいカニを食べましょう。
三大蟹と言えば、毛ガニやタラバガニ、ズワイガニです。カニの種類が違っても、おいしい茹で方はほとんど変わらないので、覚えておくといいですよ。基本的なことは同じで、まずどんなカニもよくキレイにたわしで洗いましょう。
毛ガニの茹で方とゆで時間
大きな鍋にお湯を沸かして沸騰してきたら、毛ガニの大きさにもよりますが水1リットルに対して塩を35g前後入れます。そして毛ガニは甲羅を必ず下に向けて鍋に入れます。沸騰した鍋は、毛ガニが入ることで少し冷めてしまいますが、再沸騰した時を目安に15分前後茹でます。
もし毛ガニが浮いてきてしまうようなら、落し蓋をしてください。茹であがったらよく水分を切って温かいうちに食べてくださいね。特に毛ガニの味噌は濃厚で、とてもおいしいです。甲羅を下にして茹でるのは、おいしいカニ味噌が出てこないようにするためなんですよ。
タラバガニの茹で方とゆで時間
塩分は毛ガニのときよりも少なめで、水1リットルに対して塩を15g前後入れます。タラバガニも甲羅を下にして茹でますが、カニ味噌はボイルする前に取り出しておきます。毛ガニのカニ味噌と違って固まりづらく、普通に茹でると味噌が流れて出てきてしまうからです。
タラバガニの味噌は食べられません。しかも、タラバガニの味噌は身に付いてしまうと、身が生臭くなってしまいます。タラバガニも同様で再沸騰してからカウントしますが、茹で時間は18分前後になります。
ズワイガニの茹で方とゆで時間
塩はタラバガニと同量で、水1リットルに対して塩を15g前後入れます。甲羅はやはり下向きで、茹で時間は15分前後が目安です。カニの大きさによっても違うので、大きいカニは5分プラス、小さいカニは5分短くするなど、工夫してください。
茹ですぎには気を付けてください。茹ですぎてしまうと身が固くなって、せっかくの美味しいズワイガニが台無しになってしまいます。塩加減も濃口がお好みならば少し足してもいいですし、少なくしても構いません。ちなみに、海水の塩分は水11リットルに対して塩約35gです。
茹でてすぐに食べない場合は、ちゃんと冷めたことを確認してから冷蔵庫で保存できます。日持ちしないので、なるべく早く食べてください。
生カニの栄養を閉じ込める美味しい蒸し方
活カニや生カニが手に入ったら、蒸すのもお勧めです。カニは、実は茹でるより蒸す食べ方の方が栄養面でもいいんですよ。
カニに含まれる栄養素タウリンは、水に溶けやすい
温野菜を作る時は、茹でるより蒸した方が栄養価を損なわないと聞きますね。カニも同じです。蒸した方が栄養価を閉じ込めたまま、美味しく頂けます。カニに含まれる栄養素タウリンは水溶性のため、水に溶けやすい性質をもっています。
目の疲れをとったり、血圧を下げる働きのあるタウリンが豊富に含まれるカニ。せっかくなので、栄養価を損なわず美味しく食べてみましょう。そのためには茹でるより、蒸すことをおすすめします。
大きいタラバガニの肩脚やズワイガニは、蒸しづらいかもしれません。小さめのカニなら蒸し器がなくても、自宅でふっくら蒸すことができますよ。「セコガニ(地方によってはセイコガニ)」と呼ばれる山陰地方で獲れるズワイガニの雌や毛ガニは、サイズが小さめで意外と簡単に蒸すことができます。
茹でるより栄養と旨みUP、蒸し器がなくてもできるカニの上手な蒸し方
蒸し器が家にない方もいらっしゃいますね。でも大丈夫、大きめの鍋と皿(カニがのる程度の大きさで浅皿)2枚があれば、簡単に蒸すことができますよ。生のカニだけではなく、ボイルされたカニも蒸すことで身がふっくら熱々になり、より一層美味しく頂けます。
<カニの蒸し方>
1 カニをよ~く洗う。脚の関節もピンと伸ばして洗ってくださいね。
2 生きているカニであれば、動かないように輪ゴムを使って脚を固定させます。息絶えているカニは固定しなくてもOK。
3 鍋に浅皿を裏返して(底が上にくる)、中央に置きます。鍋に裏返した皿の底部分が水に浸からない程度に、水を張ります。
4 二枚目の皿を裏返した皿の上に、表向きに置き、点火。
5 沸騰してきたら、二枚目の皿に甲羅を下にしてカニをのせます。カニはひっくり返した状態で入れないと、美味しい味噌がダダ漏れになってしまいます。やけどには注意してくださいね。
6 ふたをして、約15分蒸します。(カニの量によって、時間は増減してください)
カニ味噌も楽しめるズワイガニや毛ガニは、茹でるとカニ味噌の旨みが出てしまいがちです。カニを蒸すことで、じっくりゆっくり火を通すことができ、旨みたっぷりのカニ味噌が楽しめますよ。蒸した方が身離れもいいので、食べやすくもなりますね。
サイズが大きいタラバガニやズワイガニは、姿のまま、大きい肩脚のまま蒸すことは大変ですが、カットされていれば大丈夫。半むき身カット(ハーフカット)やポーション(フルカット)であれば、蒸すことは可能です。茹でると蒸すとでは、本当にふっくら感が違いますよ。ぜひ一度お試しください。
冷凍カニの美味しい解凍方法は生なら流水解凍、ボイルは冷蔵庫で1日
カニを購入する時、産地や市場で直接カニを見て買うことって難しいですよね。そのためカニ通販を利用する人が多いかと思います。カニを通販で購入した場合、冷凍された状態で送られてくるので、解凍方法に迷うこともありますね。
大抵は解凍方法や食べ方が書かれた用紙が入っていますが、稀に入ってないこともあるので、解凍方法で気をつけたい点をいくつか挙げておきます。冷凍カニには「生のまま冷凍したカニ」と「ボイルしてから冷凍したカニ」があるので、まずどちらのカニなのか確認してくださいね。
「生のまま冷凍したカニ」は、水揚げした状態で急速に冷凍したもので、火を通していないカニです。生のカニなら、刺身で頂きたいと思いがちですが、「生で食べられます」や「刺身用」などの表示がない限り、必ず加熱して頂きましょう。「ボイルしてから冷凍したカニ」は茹でてありますので、塩味が既についています。
流水解凍して調理する生の冷凍カニは、素材の味が楽しめて美味しい
「生のまま冷凍したカニ」は、調理する直前に流水で解凍します。食べる分だけビニール袋へ入れ、少し冷たいくらいの水を5~10分程度流しかけます。半解凍くらいが旨みも逃げずに、美味しいカニを味わえます。生冷凍されたカニは、解凍して時間が経つと黒ずんできます。食べても問題ないですが、解凍後は早めに調理しましょう。
かに鍋、カニしゃぶ、揚げ物、焼ガニなど加熱調理する食べ方は生冷凍のカニの方が美味しいですし、自分好みの塩加減で茹でることも可能です。ボイル冷凍カニの塩加減や茹で加減があまり好きでない人は、生冷凍カニを解凍して茹でると自分好みのボイルガニになります。
できたては、やはり美味しいですよね。茹でたてのカニは、身がふんわりしてハマりますよ。解凍した生冷凍カニをボイルする際のポイントは、茹で上がったら冷水で一気に冷やすことです。殻から身が剥がれやすくなり、簡単に食べることができます。
ゆっくり解凍した冷凍ボイルカニは、そのまま食べても美味しい
そして「ボイルしてから冷凍したカニ」ですが、流水解凍せずに、冷蔵庫で1日かけてじっくり解凍する方法がおすすめです。その際、必ずキッチンペーパーや新聞紙などで包み姿ガニが乗るくらいのお皿やバットに入れて冷蔵庫に入れてください。カニから出る水分の蒸発を防ぐためです。
ボイルガニは、解凍したらそのままカニ酢で食べるか、カニサラダやカニの酢の物など、熱を加えない食べ方が美味しいです。もちろん、蒸しても美味しく食べられます。温める際には再度茹でたり、電子レンジで温めてください。
食べ切れないからと、再冷凍することだけはしないようにしましょう。カニの旨みが全て抜けてしまい、身もパサパサになり、せっかくのカニが台無しです。解凍したらその日のうちに食べ切るようにして下さい。
まとめ
・ カニを茹でる時は、甲羅を下にして茹でる
・ カニの茹で時間は、お湯にカニを入れて再沸騰してから15~18分
・ タラバガニの味噌は、茹でるまえに取り出す
・ 毛ガニは水1リットルに対して塩35g、タラバガニとズワイガニは15g
・ カニ味噌は蒸した方が旨みが凝縮
・ カニに含まれる栄養素タウリンは水溶性なので、茹でるより蒸した方が栄養を損なわない
“生カニの美味しい調理方法(茹で方、蒸し方)冷凍カニの失敗しない解凍方法まで” への2件のフィードバック